2023年1月に発売のあった新型プリウスと、2022年秋に一部改良版の発売があったカローラツーリング。2台とも人気を集めているトヨタのハイブリッド車ということで、どちらを買うべきか購入を迷っている人が多いようだ。
本記事では、プリウスとカローラツーリングを徹底比較して、どちらを買うべきか詳しく解説しているので参考にしてほしい。
価格
車種 | 金額 |
---|---|
カローラツーリング G“Z” | 285万円 |
プリウス Z | 370万円 |
車両本体価格の差は85万円とかなり大きな差がある。価格が安いカローラツーリングはどれだけ内装外装の高級感で頑張っているのか、85万円高いプリウスは、使い勝手や充実した装備が価格に見合うのかを徹底的に解説する。
車両サイズ
車種 | サイズ |
---|---|
カローラツーリング G“Z” | 全長4,495mm 全幅1,745mm 全高1,460mm |
プリウス Z | 全長4,600mm 全幅1,780mm 全高1,430mm |
全長と全幅に関しては、カローラツーリングより新型プリウスのほうが大きい。全高に関してはカローラツーリングのほうが大きいサイズとなっている。このサイズ差は室内空間の広さにも影響しているので、後半で詳しく解説していく。
ハイブリッドシステム
カローラツーリング | プリウス | |
---|---|---|
エンジン | 直列4気筒1.8Lハイブリッドシステム | 直列4気筒2.0Lハイブリッドシステム |
エンジン出力 | 72kw(98PS)/5,200rpm | 112kw(152PS)/6,000rpm |
エンジントルク | 142Nm(14.5kgf)/3,600rpm | 188Nm(19.2kgf)/4,400rpm〜5,200rpm |
モーター出力 | 70kw(95PS) | 83kw(113PS) |
モータートルク | 185Nm(18.9kgf) | 206Nm(21.0kgf) |
排気量が大きい新型プリウスのほうが、出力がすべての面で上回っている。とくにエンジンの出力は50馬力以上大きくなっており、かなりの差になっている。
燃費数値は実燃費に近いWLTCモードで比較。
カローラツーリングは27.3km/L、プリウスは28.6km/Lとなっており、排気量と出力が大きい新型プリウスのほうが燃費性能でも優れているという結果に。
ハイブリッドのパワートレインに関しては、新型プリウスの新規格パワートレインのほうが全面的に優れていると言えるだろう。
フロント
2022秋に一部改良改良版の発売があったカローラツーリングは、ヘッドライトのデザインを大きく変更した。一本の鋭くコの字型に点灯するデイライトの部分がとてもスッキリとした印象になっている。
大きく口を開けるロアグリルは、ダクトのデザインを持っていてスポーティー感があり、艶ありブラック塗装の採用によってとても質感が高くなっている。
対して新型プリウスは、トヨタとしてコの字型の新しいデザインを採用していて、カローラツーリングよりもさらに鋭いフロントマスクが特徴的だ。
フロントグリルは新生代のデザインで、EV車のようにグリルをとても小さくデザインしている。ロアグリルはカローラツーリング同様に艶ありブラック塗装を採用していて、質感の高さが伺える。
どちらもオートハイビーム採用に留まり、アダプティブハイビームシステムは非採用である点は気をつけて欲しい。
サイド
カローラツーリングはステーションワゴンなので、慣れ親しんだ無難なデザインとなっている。Aピラー部分は強い傾斜になっているので、スポーティー感を感じられるような流型なフォルムも特徴的だ。
窓枠全体にシルバーメッキモールを配置して質感を確保しており、プレスラインはシンプルなデザインを採用している。ホイールは17インチアルミホイールとなっている。
新型プリウスは強く前傾したスポーティーなフォルムが特徴的だ。カローラツーリングよりもAピラーの前傾がとても強く出ている。ルーフ部分はリアに向かってどんどん下へ絞り込みがされている。
さらにタイヤフェンダー周りには艶ありブラック塗装を採用しており、SUVのようなタイヤフェンダー周りのデザインだ。カローラツーリングよりも2インチ大きい19インチアルミホイールの採用により、足元にかなり大きい迫力を持たせている。
プリウスの窓枠にも艶ありブラック塗装を採用しており、細かい部分まで配慮された高級感が確保されているのは新型プリウスである。
リヤ
カローラツーリングはステーションワゴンらしい見慣れたデザインだ。リアガラスは荷室スペース確保のため、比較的立ったデザインとなっている。
テールランプは左右で独立した配置になっており、しっかりとLEDライン発光の質感高いデザインが採用されている。
新型プリウスは、新しいトヨタのデザインを採用。一文字のテールランプがとても特徴的であり、ワイド感が強調されて先進的なイメージをもたらしている。
リアバンパーには艶ありブラック塗装を採用しており、質感高くデザインされている。
高級なのは?
カローラツーリングは車両価格200万円台の車としてはしっかりとした質感が確保されている。肘置き部分の合成皮革やステッチ加飾は上質感を感じられてとても良い。
ハンドルも本皮巻きで運転メーターが12.3インチのフル液晶ディスプレイを採用。視認性が良く、見やすいメーターだ。
シフトレバー周りのデザインはしっかりと合成皮革やソフトパッドのものが採用されており、きめ細かいステッチ加飾、ピアノブラックのパネルとともにかなり上質感のあるセンターコンソールといえる。
プリウスのドア内張りはカローラツーリングと大差ない。しかし、シートにはベンチレーションとシートヒーター機能を搭載しており、カローラツーリングよりも快適性が高い。
ステアリングはbZ4Xからの流用であり、運転メーターも7インチとコンパクトだ。表示できる情報が少なく、メーターとの距離もあるので走行中の見づらさが気になるところだ。
新型プリウスは、トヨタとして初採用のイルミネーション通知システムがインテリアの雰囲気を高めており、とても魅力的な装備となっている。
便利なのは?
新型プリウスにはパワーシートとメモリー機能が搭載されているが、カローラツーリングは手動になるため、どうしてもパワーシートが欲しい人は新型プリウス一択になるだろう。個人的には手動シート調節でなにも問題ない。
利便性で大きな違いは、やはり運転メーターだろう。カローラツーリングは12.3インチで見やすく、プリウスは7インチで見づらい。
センターディスプレイはカローラツーリングのほうが2インチ小さい10.5インチだが、何も問題を感じないだろう。
室内の広さは?
車種 | 広さ |
---|---|
カローラツーリング G“Z” | 室内長1,795mm 室内幅1,510mm 室内高1,155mm |
プリウス Z | 室内長1,840mm 室内幅1,500mm 室内高1,130mm |
プリウスはルーフの傾斜が強いため、後席に乗り込む際は頭を低く屈める必要がある。後席に肘置きもあり、頭上空間もそれなりに確保されている。
カローラツーリングはルーフの傾斜が弱く、乗り込みやすい印象がある。膝前空間はプリウスよりもせまい。荷室をもう少しせまくして後席の空間を確保したほうが良かったのではないかと思える。
荷室の広さは?
カローラツーリングはパワーバックドア非採用のため、手動の開閉が必須である。しかもかなり上の方まで開くため、身長が低い人だと開閉に苦労するだろう。
荷室は392Lのスペースを確保しており、シートを倒すとフラットな空間が広がる。
プリウスは上位グレードにパワーバックドアを標準装備。カローラツーリングよりも寸法上は広い410Lの荷室空間を確保している。
荷室に荷物を乗せるときの利便性やラゲッジの使いやすさは、カローラツーリングのほうが優れているように感じる。
どっち買うべき?
使い勝手に優れた車が欲しい人、車に気を使わずラフに使用できるコストパフォーマンスがいい車を求めているならカローラツーリングがおすすめだ。85万円価格が安いカローラツーリングも良いデザインといえる。
一番先進的で装備が充実している車が欲しい人は新型プリウスという選択になるだろう。
しかし、新型プリウスは新規格のハイブリッドシステムやトヨタ初採用の装備が多いため、リコールがかかる予想もできる。これらを受け入れられるかが、プリウスを選ぶポイントにもなるだろう。
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