ダイハツ工業株式会社(以下ダイハツ)とトヨタ自動車は、2023年5月19日(金)に、ダイハツ・ロッキーおよびトヨタ・ライズの国内向けハイブリッド車(HEV)のポール側面衝突試験(UN-R135)に関する認証手続きに不正があったことを公表し、同日、出荷・販売を停止している状況にある。
不正行為があった箇所について、社内で再試験を実施して結果を公表してきた。
しかし、ユーザーが納得できる内容とは今回の公表に関してはなっておらず、今後もトヨタとダイハツの動向から目が話せない状況にあることは間違いない。
ユーザーの声は、返金や返品、納期はどこまで遅延してしまうのか、キャンセルをしたい、といった強い不満や不安の声が挙がっている。
ライズHEVとロッキーHEVへの不正行為とは?

今回の不正行為は、ダイハツロッキーとトヨタライズHEVの製造を行うダイハツが、
ポール側面衝突試験(UN-R135)では、左右の試験を実施する必要があり、その試験データの提出が必要になるにも関わらず、今回、助手席側(左)は立会いのもと試験を実施し、運転席側は右側の社内試験データを提出すべきところ、左側のデータを提出したものだ。
トヨタ自動車は、「出荷・販売につきましては、今後、関係官庁にもご相談させていただきできるだけ早い再開に向けて取り組んでまいります」としている状況にある。
詳しくは、速報の別記事で紹介をしている。
対象車種
販売開始 | 累計販売台数 (2023年5月18日時点) | |
---|---|---|
ダイハツ・ロッキーHEV | 2021年11月 | 22,329台 |
トヨタ・ライズHEV | 56,111台 |
トヨタとダイハツの不正行為についてのコメント
トヨタとダイハツは、今回の不正行為について
「お客様をはじめとするステークホルダーの皆様には、多大なるご心配・ご迷惑をおかけしておりますことを深くお詫び申し上げます。」
とコメントしており、今回紹介する社内の再試験については、
「現在、ダイハツ・ロッキーHEVおよびトヨタ・ライズHEVを使用されているお客様が、安全に対してご不安・ご懸念をお感じになっている状況にあるため、今回、自主的に安全性能を確認するための社内試験を実施いたしましたので、結果についてご報告いたします。」
と公表をしている。
不正行為があったポール側突(運転者席側)社内試験結果について
不正行為は、運転席側に対してで、この箇所について今回社内で再試験を行い試験結果を公表したことになる。
トヨタ、ダイハツとしては、迅速に試験結果を公表し、安全レベルが確保していることを公表することで、火消しをしたい意図があるのだろう。
ダイハツが行った社内試験の内容とは?
どんな試験が行われたのか、詳しく紹介しよう
1)試験日時・場所
・日程: 5月24日(水)
・場所: ダイハツ 滋賀テクニカルセンター
(2)試験概要
・目的: 車両が電柱などに横から衝突した際の安全性について確認する試験
・概要: 電柱等を模したポールに、時速32kmで車両側面を衝突させ、以下を確認
①乗員の衝撃(傷害値)が法定基準を満たしていること
②ドアの外れや開放が無いこと
③衝突後の燃料漏れの量が一定値以下であること
【試験イメージ】

試験の具体的なイメージまで、上記の画像を公表し公開している。
(3)試験結果

そして、トヨタとダイハツは、
「法規に定められた安全性に関する基準を満たす結果となりました」
とコメントを公表している。
今後のダイハツとトヨタの対応
トヨタとダイハツは、さらに下記の内容をコメントとしてHPに記載し、
「今回の試験は、社内試験であり、認証当局にご確認頂いたものではありません。
出荷・販売の再開に向けては、認証当局立会いでの試験や、ダイハツ・ロッキーHEV、トヨタ・ライズHEVに関するその他の認証項目の確認など、必要な手続きを、当局とご相談しながら進めてまいります。
当社としましては、この度の不正は、経営マネジメントが現場に寄り添えず、法令遵守や健全な企業風土の醸成が疎かになる中で、正しいクルマづくりを見失い、不正行為を発生させたと考えられます。全員で立ち止まり、不正行為をせざるを得なくなった背景・環境・真因を徹底的に究明し、改善・再発防止に取り組み、課題を出し切ることで、二度と同じ過ちを繰り返さない会社へと変わる決意で、現場の声に耳を傾けながら、全社を挙げて取り組んでまいります。」
お詫びと再発防止に向けた方針を公表している。
返金やリコールやキャンセルなどの具体的な対応は
今回トヨタとダイハツから公表された内容は、全て同じ内容で、まとめて紹介をした。
内容としては、不正があった試験を社内でやり直ししただけで、多くの批判、不安、不満を火消ししたい意図がうかがえる。
現在は、すでにライズとロッキーを注文、所有しているユーザーから「キャンセルしたい、返品や返金したい、納期はどれくらい長くなってしまうのか」といった声が具体的に上がっている状況だ。
今回の発表は、ユーザーの困惑、落胆、不満の声に応えることができる内容とは言えず、今後もトヨタとダイハツにはどうしていくのか?
問い続けたい。
すでに、ライズやロッキーを注文して、キャンセルしたいけど、車の営業マンからお断りされたといった声が上がっている。
裏切りをしてしまったお客様が納得できる対応策を一刻も公表し、安心して乗れる車にしてほしい。
そして、楽しみに車を注文したユーザーには、納得できる対応をしてほしいと願う。
トヨタとダイハツは、正規販売店へキャンセルに応じるよう通達を出すべきではないだろうか。
また、社内試験をしたなら、動画を撮影し公開すべきではなかったのだろうか。
透明性確保のスタンスについても、トヨタとダイハツは問われており、これに誠実に向かい合わなければユーザーとの信頼関係回復は難しくなる一方だ。
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