2022年3月31日(日本時間4月1日)、突然の発表だった。
この日はアメリカカリフォルニア州ロングビーチでのフォーミュラドリフト開幕前日。
TOYOTA GAZOO Racing(トヨタ自動車)は新型車である「GRカローラ」(北米仕様・プロトタイプ)をアメリカで世界初披露した。
世界を驚かせたトヨタの発表。
主な特徴を本記事では紹介していこうと思う。
お客様を虜にするカローラを取り戻す「モリゾー社長」自ら開発に携わる
GRヤリスがヨーロッパで大人気となり現在も品薄が続いているように、
GRはかなり早いペースで人気とブランド力が強化されてきたように感じる。
しかしながらアメリカ国内ではこのGRヤリスの発売はされておらず、
アメリカの車好き達の不満を招いていた可能性は高い。
このことがGRカローラをアメリカで発表することに繋がったのかもしれない。
このような背景もあり、このGRカローラはGRヤリスと基本を共有しながら進化を遂げた形となっている。
開発に当たっては「お客様を虜にするカローラを取り戻したい」という豊田章男社長の強い想いから開発がスタート。
レースで勝つことを前提に鍛え上げられた車を市販化するというテーマを実践。
レーシングドライバーの石浦宏明選手、全日本ラリーチャンピオンである勝田範彦選手たちに加えて豊田社長もマスタードライバーとして走り込みを行った。
この走り込みにはサーキット走行はもちろん、ダートや雪道も含め実施されておりあらゆる面を想定した走りが期待できる。
GRヤリス超えの304PSに注目
このGRカローラに搭載されるエンジンは、GRヤリス同様の「1.6リットル直列3気筒多ボーボエンジン」。
今回トヨタはこのエンジンをさらに強化し、最高出力を「304PS(224kW)」にまで引き上げることに成功している。
この数値はGRヤリス比で+32PSと大幅な進化。
圧倒的な加速に加えて、回転数の伸びをより感じることのできるエンジンに仕上がった。
車重はGRヤリスに比べ約190kg重くなってはいるが、この専用チューニングは大きなアドバンテージとなることが期待される。
GRヤリスでも十分に満足できた加速性能をより強化したという点は、十分にこの車の魅力を伝えることに成功しているかもしれない。
バルプ付きの3本出しマフラーも両サイドに2本と中央に楕円形が1本と非常に珍しい形をしている。
このマフラーにより排圧低減と消音性能を両立しながら、最高出力の向上が可能となった。
駆動方式もGRヤリス譲りの電子式多版クラッチによる前後駆動力可変式のスポーツ4WD「GR-FOUR」。
4WDモードとドライブモードを分けることでドライバーそれぞれの好みや走行環境に応じた選択が可能となっている。
ワイド化軽量化をこだわりの技術で
このGRカローラのボディベースはカローラスポーツ。
ロングホイールベースによる優れた走行性能はそのままに、フロントを60mm、リヤを85mmワイドトレッド化することで高速旋回性能を高めた。
これにより走行時の安定性、コントロール性が向上し、限界域での走りを意のままに楽しむことができる。
そして5ドア・5人乗りという利便性の高さを維持することで、スポーツ性能と日常生活での使い勝手を両立している。
全体的にコンパクトな印象を持つが、フェンダーが広がっておりフロント部分の迫力は十分。
ホイールは18インチ
そして多くの開口部を持つボディは冷却性能と空力性能を徹底追求している。
ボディ剛性についても強化されており、「元町工場 GR Factory」にて生産されることで実現する高剛性基本骨格を持っている。
ただ単に剛性を高めるだけではなく、CFRP素材のルーフパネルを使用することで軽量化にも成功していることが特徴だ。
機能美に満たされたスポーツデザイン
内装にも十分なこだわりを感じることができる。
ショートストロークのシフトレバーを採用し、ステアリングから自然に腕を降ろした位置に配置。
またサイドブレーキはドリフト走行などの使用も視野に入れたレバー式となっている。
メーターパネルに関してはGR車専用に開発されたフルTFT式を新規採用しており、スポーツ走行時の視認性を高めた作りである。
可能な部分はアナログにこだわり、「走るよろこび」にこだわった仕様となっていることが大きな特徴だ。
動画でも紹介しているため、ぜひご覧いただきたい。
GRカローラ(北米仕様)主な諸元(開発目標値)
※販売価格は未定
パワートレイン | 直3気筒DOHC 1.618cc ターボ |
最高出力 | 304PS/6,500rpm |
最大トルク | 370Nm/3,000-5,550rpm |
使用燃料 | 無鉛プレミアム |
トランスミッション | 6速iMT |
駆動方式 | スポーツ4WDシステム"GR-FOUR" |
全長×全幅×全高 | 4,410mm×1,850mm×1,480mm |
車重 | 1,475kg |
作動装置 | 前後トルセンLSD |
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