トヨタが2023年1月にもフルモデルチェンジ版の発売をおこなう新型プリウス。
12月21日に価格を配信し見積りの公開や先行予約の受注を開始しているが、公表された車両本体価格の値上がりが今話題となっている。
とくに直列4気筒2リッターハイブリッドシステムを搭載する上位グレードのZの車両は、見積りの支払い総額がおおよそ400万円前後で購入することになるため、購入を考えている人も一歩踏みとどまるような価格となっている。
SNSの声を見ていると、新型プリウスの価格に「ぼった〇〇」といった声も上がっている。
ライバル車と価格を比較しながら、新型プリウスの価格が本当に適正なのかを詳しく解説していく。
新型プリウスの価格
新型プリウスのグレード展開は、プラグインハイブリッドを含めて5つである。
コストパフォーマンスに優れた直列4気筒と1.8リッターハイブリッドを搭載する車両は、「X」のグレードで275万円。「U」のグレードで299万円で販売。さらに排気量をアップした直列4気筒2リッターハイブリッドシステムは、「G」のグレードで320万円。上位グレード「Z」2輪駆動車で370万円で販売される。上位グレードのZは370万円で価格がかなり高い。
オプションや税金諸費用を含めると、見積りは410万円を超えるだろう。
シビックe:HEV
つい最近フルモデルチェンジ版の発売があった新型シビックe:HEVは、ハイブリッドのパワートレインを搭載する車両だ。
新型シビックe:HEVは、新型プリウスとガチンコのライバル車といえる。とくに新開発として搭載された直列4気筒2リッターのハイブリッドシステムがプリウスと非常に近いパワートレインとなっている。
シビックのハイブリッドシステムの内容を見ると、プリウスより走行を楽しむ性能を重視して搭載されていることが確認できる。エンジンの回転音を演出するアクティブサウンドコントロールなどが注目の内容である。
車両本体価格は394万円となっているため、新型プリウスとガチンコの価格対決となっている。シビックのほうが14万円高いため若干の割高感はあるが、シビックが重視しているスポーツカーにより近い走行感覚が売りになってくる。
プリウスはかなりリセールバリューが高く値落ちがしづらい車であるため、そこを天秤にかけ、プリウスのほうが良いと判断するユーザーも多いだろう。
インサイト
ホンダのインサイトは372万円で販売されている。
現行型のモデルから車格を大きく上げてきて、上質感を強く向上してきたモデルだ。インサイトは直列4気筒2リッターハイブリッドシステムを搭載する。
プリウスはこれまで直列4気筒1.8リッターハイブリッドシステムだけの販売だったが、今回、直列4気筒2リッターで排気量も上げてきたので、プリウスが肩を並べてきたという印象がある。
インサイトは一番価格が高い上位グレードでも372万円なのでプリウスと比べて少し価格は安く、レザー調素材を使ったインテリアの上質感はインサイトに優位性があるように感じる。
新型プリウスはスポーツカーのようなデザインとなっていて、質感が低い印象はまったくないが、インサイトと比べるとプリウスのほうが大衆車のような雰囲気があるように感じる。
リセールバリューに関しては、インサイトは不人気車でまったく売れていない。そのため所有してから車の資産価値が下がり、コストが高くなってくる傾向にある。
購入するときは、インサイトのほうがプリウスよりも安く買えるだろう。しかし、売却するときのトータルコストを考えると、新型プリウスのほうが安く済むので、プリウスの価格は割高ではない印象である。
ノートオーラ
日産が誇るe-POWERのハイブリッドシステムを搭載する車両で、上位グレードとして販売されているオーラが新型プリウスのライバル車両になってくる。
車両本体価格は265万円~290万円と、かなり安い価格帯。
安全先進装備のプロパイロットシステムを高額なセットオプションにしている。おおよそ40万円〜50万円のメーカーオプションになるため、それらを含めた見積りだと350万円を超えてくる。
それでも新型プリウスは400万円を超えてくるので、ノートオーラのほうが50万円くらい安いといえる。
日産が誇るモーターだけで加速ができるe-POWERシステムの恩恵が非常に強い車になっているため、パワートレインの静粛性やEVに近い加速感などは非常に強いところがある。そのため街乗りに関してはノートが勝るかもしれない。
新型プリウスと比較するとノートオーラもあらためて非常に優秀な車である印象だ。
ノートオーラと新型プリウスは明確な違いがある。新型プリウスのようなボディデザインや大きな車のような車格の乗り心地、これらを求めるならば新型プリウスを買う必要がある。
カローラスポーツ
新型プリウスと非常に近いサイズ感を持った車両だ。カローラシリーズはセダンとツーリング、さらにスポーツの展開があるが、スポーツは走りに集中した車両として販売されるのが特徴で、今回のキャラクターとしては非常に新型プリウスと近いものがある。
一部改良を2022年の秋に実施していて、ハイブリッドのパワートレインの刷新を行い、直列4気筒1.8リッターハイブリッドシステムを搭載。販売価格は上位グレードだと289万円となる。
カローラスポーツは基本的には安全先進装備が標準装備となっているため、見積りとしても300万円を少し超える価格で上位グレードが買える。
新型プリウスの車格に近いにも関わらず、カローラスポーツは非常にコストパフォーマンスが高い。さらに内装・外装の質感もフルLEDヘッドライトを採用していて、いたるところにピアノブラックのパネルを採用しているところも非常に質感が高い印象である。
プリウスは、少し大衆向けのようなインテリアとなっているため、内装の上質感はカローラスポーツのほうが優秀だ。
新型プリウスの上位グレードは、2リッターハイブリッドシステムを搭載するため、加速のフィールや走行性能については大きな違いがあると感じるが、カローラスポーツは価格の安さに光るところがある。
新型プリウスは最新の第二世代TNGAプラットホーム、初採用の2リッターハイブリッドシステムを搭載する。新しい走行フィールを体感したいのであれば、新型プリウスを購入したほうが良いといえる。
正直、街乗りであれば新型プリウスの2リッターハイブリッドシステムはあまり必要ないと感じる。カローラスポーツでも充分すぎると感じる。
ハリアー
トヨタのハイブリッドシステムを搭載する車両だ。直列4気筒2.5リッターハイブリッドシステムで、プリウスよりも大きな排気量を採用する。
プリウスと近い質感のハイブリッド2輪駆動車のほうは、エントリーグレードで3,718,000円。中間グレードGだと4,119,000円で販売される。プリウスの上位グレードZが380万円のため、非常に近い価格帯だ。
ただ、プリウスもベンチレーションとサンルーフなどをつけることができる。さらにパワーシートやメモリー機能なども上位グレードなら備えているため、同じ機能を搭載する上位グレードZで価格を比べると、ハリアーのほうが割高感がある。
ハリアーは価格が4,628,000円となっており排気量も大きいので、車格なりの価格の高さはハリアーのほうがある。
価格の差が80万円ほどあるため、やはり違いはある。装備をある程度犠牲にすることができるのであれば、中間グレードGの411万円の内容も魅力的な選択肢ではある。
新型プリウスの上位グレードは380万円で割高感があるという評価を受けているが、妥当な価格で販売されていることが確認できた。
ハリアーに劣らない魅力があるのがフルモデルチェンジ版の新型プリウスだ。
新型プリウスの良い点と悪い点
具体的にライバル車の価格を比較していくと、トヨタは絶妙な価格設定で販売していることが確認できた。
少し古い世代のホンダのインサイトよりも上位グレードの価格は高く、新型シビックハイブリッドよりは少し価格が安い。
ノートオーラは見積り総額がプロパイロットをつけると350万円前後で販売される車両になるため、新型プリウスの中間グレードGとライバル車両になるわけだ。
新型プリウスの中間グレードGとノートオーラを比較した場合、プリウスのほうが排気量も大きく車格も大きいため、プリウスのほうが魅力や優位性があると感じる。
ノートオーラもコンパクトカーでありながら高級車のような魅力を持った車両となるため、ノートオーラにしかない魅力もあるが天秤にかけるとプリウスに少しだけ分があるといえる。
トヨタのカローラスポーツは一部改良でフルデジタル表示の運転メーターや大きなセンターディスプレイが採用されている。
上位グレード289万円で見積り総額300万円を少し超える価格で購入できるので、カローラスポーツとプリウスを比較すると、少しプリウスのほうが厳しい面があると感じた。
一般の人がプリウスを購入する場合は、2リッターハイブリッドシステムを購入することになるため、見積りの支払い総額は350万円くらいがスタート価格となってくる。
2リッターハイブリッドシステムが良い人はプリウス。1.8リッターハイブリッドシステムで価格が安い方が良いという人はカローラスポーツとなり、トヨタはしっかりと棲み分けをしている印象だ。ラフに使えるのは、カローラスポーツになってくると思う。
総評として、良い点、悪い点を紹介させていただいたので、この辺りを踏まえて購入を検討していただければと思う。
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